コリン
コリンとは、ビタミンB複合体で、水溶性のビタミン様作用物質です。
コリン(choline)は、リン脂質(ホスファチジルコリン)の構成成分で、ヒトの体内では必須アミノ酸のメチオニンから合成されます。
コリンは、神経伝達物質のアセチルコリンの基(前駆体)であり、抗脂肪肝因子(脂肪肝を予防したり、改善したりする効果のある物質)として単離された成分です。
ホスファチジルコリン(レシチン)は、約13%のコリンを含むリン脂質で、脳や神経組織の細胞膜に含まれるリン脂質のうち、30%〜50%をしめる成分です。
ホスファチジルコリン(レシチン)は、細胞膜の安定性を保ち、コリンを貯蔵するとともに情報伝達に関与するなど、細胞膜で様々な働きをしています。
コリンは、糖質と脂質の代謝に必要な補酵素として働き、肝臓内に脂肪が過剰に蓄積するのを防ぎます。
コリンは血液成分のバランスを整え、血管を拡張させて血圧を低下させるため、高血圧や動脈硬化、心臓病の予防効果があります。
また、コリンは、リン脂質の代謝において、スフィンゴミエリンや血小板活性化因子の生合成経路における前駆体としても作用します。
食事から摂取するコリンの量が、血液中や脳内のコリン濃度に影響を与え、アセチルコリンなどの濃度を決定すると言われています。
そのため、コリンが欠乏すると、アセチルコリンの体内での合成不足による種々の症状が現れ、肝臓に脂肪が蓄積し、肝機能の低下や肝障害などを起こします。
コリンが含まれる食品では、卵黄、大豆、レバー、小麦胚芽、米胚芽、酵母などにコリンは多く含まれています。
2006年版のコリンの食事摂取基準は、成人の1日の目安量(AI)は男性550mg、女性425mg、上限量(UL)は男女ともに3500mgとなっています。
サプリメントなどの「卵黄コリン」は、卵黄の脂質に由来する成分で、卵黄ホスファチジルコリンとも呼ばれています。
「卵黄コリン」は、ビタミンB12との併用で、神経伝達物質のアセチルコリンを増やすことにより、
アルツハイマー型の認知症の改善が見られたという報告があります。
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