レンチナン
レンチナンとは、シイタケから抽出された多糖体(βグルカン)です。
レンチナン(lentinan)は、キラーT細胞、マクロファージ、NK(ナチュラルキラー)細胞などの働きを、活性化させると考えられています。
レンチナンは、がんに対する抑制効果よりも、抗がん剤治療による免疫力低下を補う目的で、使われることが多いとされています。
レンチナンが適応とされるがんは、手術が不可能、または再発した胃がんに対して、テガフールと併用して使います。
レンチナン単独での有効性は、確認されていません。
レンチナンの副作用は、頻度、程度とも一般に軽徴で、主な副作用としては、胸部の圧迫感、のどの閉塞感といった呼吸器症状や、
吐き気・嘔吐などの消化器症状、発疹、頭痛、めまい、倦怠感などがあげられます。
◆ 「レンチナンで心筋障害」 健康食品にも成分が含まれる薬
抗がん剤と併用される薬「レンチナン」で、心筋に障害が起きることが動物実験でわかり、
大阪府高石市立診療センターの藤本二郎医師が、日本化学療法会で報告した。
この薬の成分は、キノコを原料とする健康食品にも含まれている。
レンチナンは、シイタケから抽出した成分で、抗がん剤治療の際、がんの増殖抑制を狙って使われる。
実験では、無処置のマウス(オス)の平均生存期間が817日だったのに対し、
レンチナンを投与したマウスは309日、抗がん剤と併用した場合は254日と短かった。
一方、心室壁の細胞が破壊される繊維化が起きた割合は、無処置なら0%だったが、レンチナン投与は79%、
抗がん剤との併用では87%で、心筋障害が死亡を早めたとみられた。メスでも傾向は同様だった。
実験で使われた投与量は、人間の場合の数十倍にあたるが、藤本医師は「キノコを原料とするアガリクス、
メシマコブなどの健康食品にも、心筋障害を起こす可能性があるのではないか」と話している。
「平成15年6月3日(火)読売新聞掲載記事。」
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