百合根
百合根とは、百合(ユリ)の花の地下にできる球根(鱗茎)のことです。
ユリ科には美しい花を鑑賞するものが多く、いずれも地下部分は球根状の鱗茎になっています。
食用の百合根(ゆりね)は、球根(鱗茎)に苦みがないか少なく、甘みがある種の百合根(ゆりね)です。
鱗茎が食べられ、食材として利用されている百合根(ゆりね)は、オニユリ、ヤマユリ、スカシユリです。
この3種以外の百合根(ゆりね)、鱗茎は苦いばかりでなく、食べると下痢をするものもあるので注意しなくてはいけません。
日本で百合根(ゆりね)は、17世紀ごろ、江戸時代後期から野菜として栽培されています。
中国では古くから、雑病(慢性病)治療を扱った、西暦200年ごろの医学書『金匱要略(きんきようりゃく)方論』(通称『金匱要略』)には、
「百合(ひゃくごう)病」(100の病気が合わさったような訳のわからない病気、神経症、精神不安、イライラなど。)
に、百合根(ゆりね)を煎じて飲むと効くと書かれ、漢方では、鎮咳、利尿、滋養、強壮、鎮静剤として使われてきました。
百合根(ゆりね)の肉質の鱗片は葉の変形したもので、オニユリの百合根(ゆりね)の鱗片は黄白色で、
重さは100g程度、ごくわずかに苦みがあります。小オニユリはオニユリより小型で白色、苦みがありません。
ヤマユリの百合根(ゆりね)は黄白色で、先端にピンク色の斑点があり、苦みはまったくありません。
小オニユリ、ヤマユリの百合根(ゆりね)には、ほのかな甘みがあり、加熱するとホクホクした舌ざわりと特有の風味を楽しむことができます。
百合根(ゆりね)の澱粉の主成分は糖質で、100g中に28.3g含んでいます。
また、百合根(ゆりね)には、タンパク質、ビタミンB類、リン、カリウムなども含まれています。
百合根(ゆりね)は、食物繊維のグルコマンナンが豊富なので、便秘を改善するとともに、
コレステロール値の上昇を抑えて高脂血症の改善に役立ち、血糖値を抑える作用もあります。
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