モリブデン

モリブデンとは、元素記号「Mo」で、銀白色の金属です。 モリブデンは、輝水鉛鉱という鉱石から発見された金属で、硫黄と結合しやすく、熱濃硫酸には溶けますが、水、塩酸、希硫酸には溶けません。

モリブデンは、生体内で胃や小腸で容易に吸収され、肝臓と腎臓に多く存在します。 モリブデンは、生体内では酸化還元反応を触媒するモリブデン酵素の構成成分として働き、 老廃物を尿酸に変える酵素、キサンチンオキシダーゼ、アルデヒドオキシダーゼ、亜硫酸オキシダーゼの構成成分となっています。

モリブデンを含む食品では、レバー類、穀類、豆類、種実類に豊富に含まれます。 モリブデンが欠乏した場合は、高メチオニン血症、低尿酸血症を発現します。 また、頻脈、多呼吸、夜盲症などを引き起こすことがありますが、モリブデンの投与により症状は改善されます。

モリブデンは、他の重金属に比べて比較的毒性が低く、過剰に摂取しても速やかに排泄されるため、 通常の食生活で過剰症が問題となることはほとんどありませんが、 モリブデンの慢性中毒では、関節の痛みや高尿酸血症など、痛風の様な症状が起こることがあります。 モリブデンの急性中毒では、下痢を伴う胃腸障害を起こし、昏睡状態・心不全により死に至るとされています。

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