フィロズルチン
フィロズルチンとは、天然甘味成分のひとつです。
フィロズルチン(phyllodulcin)は、ユキノシタ科の落葉灌木の甘茶(アマチャ)の甘味成分です。
フィロズルチンは、糖が結合しているので完全な非糖質ではありませんが、ショ糖の100倍以上の強い甘味があります。
フィロズルチンは、イソクマリン骨格を有するフェノール性成分で、甘味の質は糖類とはかなり違い、やや癖のある甘味です。
新鮮な甘茶(アマチャ)葉中のフィロズルチンの含量は低く、多くは配糖体の形で存在します。
この配糖体は苦いので、新鮮な甘茶(アマチャ)葉はあまり甘くなく、やや苦い程度です。
甘茶(アマチャ)葉を調製するときは、なるべくゆっくりと自然乾燥させ、β-グルコシダーゼによる発酵でフィロズルチンの生成を促します。
甘茶(アマチャ)葉を加熱乾燥したものでは甘味が少なくなります。
フィロズルチンの甘味は糖質に近いので、矯味薬(少量加えて味や臭いを抑える)や甘味料として糖尿病患者用の甘味付けなどに用いられる他、
醤油の醸造に防腐甘味料として利用され、配糖体系甘味成分は天然甘味料としてダイエットを志向した食品に用いられています。
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