バルサミコ酢
バルサミコ酢とは、北イタリアのモデナ地方に古くから伝わる果実酢で、
イタリア語の「Balsamico(バルサミコ)」は、英語の「aromatic(かぐわしい、芳香の)」という言葉に対応します。
バルサミコ酢は、殺菌作用に優れた「酢」であるため、もとは薬用として評価が高いものでした。
バルサミコ酢は、17世紀には、うがい薬にしたり、強壮剤、養毛剤として用いたり、疫病、
特にペストに対する予防効果があるとして使用されていました。
その結果、バルサミコ酢は持ち運びに便利なように、小さな樽に入れて売られるようになったようです。
その名残なのか、バルサミコ酢のメーカーによっては、薬の瓶に似た形で売られています。
バルサミコ酢は、イタリア産のワインと白ブドウ果汁を煮詰め、木樽で長期間熟成させてつくられます。
バルサミコ酢の色は、濃い茶色で、酸味や香りが強く、同時にまろやかな甘味もあります。
特にサクラ材の樽で、長年熟成をさせたバルサミコ酢には、ポリフェノール成分が大量に含まれるそうです。
バルサミコ酢は、リンゴ酢や赤ブトウ酢に比べてカリウムが2倍以上、ポリフェノールが黒酢の3倍以上含まれ、
イタリアでドレッシングソースといえば、オリーブオイルとバルサミコ酢の組合わせが定番です。
バルサミコ酢は、JAS(日本農林規格)では、果実酢の中のブドウ酢に分類されています。
イタリアで伝統的なバルサミコ酢は、最低12年の熟成と、原料となるブドウの種類が厳格に決められており、
モデナ産のバルサミコ酢は、DOP(原産地保護名称)指定になっています。
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