フィチン酸

フィチン酸とは、「イノシトール(inositol)」に6個の「リン酸塩(phosphate)」が結合してできたリン酸化合物で、 化学物質名は「イノシトール6リン酸(inositol hexaphosphate)」とも言われ、“IP6”と略記されることも多いです。
「フィチン酸(phytic acid)」は、米糠や胚芽、穀類、種子などに多く存在している天然成分で、 米糠にはフィチン酸が9.5%〜14.5%も含まれています。

「フィチン酸(イノシトール6リン酸、IP6)」の機能性は、ミネラル(鉄・カルシウム・マグネシウム・亜鉛など)との結合作用です。 その中でも、「フィチン酸(イノシトール6リン酸、IP6)」は、鉄分、金属イオンと強く結合します。

「フィチン酸(イノシトール6リン酸、IP6)」が持つ、強い結合作用を“キレート作用”といいます。 “キレート(chelate)”とは『蟹の鋏の意』で、「フィチン酸(イノシトール6リン酸、IP6)」の分子構造を見ると、 配位子中の二個の原子が、蟹が二つの鋏で獲物を挟み持つような形で、中心の金属原子、あるいはイオンに配位してできた錯体をしています。

全粒の穀物が「フィチン酸(イノシトール6リン酸、IP6)」を有しているのは、穀物自身に必要なリン酸とミネラルを貯蔵するためです。 ですが、人の体内では「フィチン酸(イノシトール6リン酸、IP6)」と結合したミネラルは、 不溶性、難溶性の成分へと変化するため、腸での吸収が妨げられます。

さらに、穀物中の「フィチン酸(イノシトール6リン酸、IP6)」は、体内のミネラルとも結合する為、体内のミネラルの吸収を阻害、 吸収を低下させ、体に必要なミネラルも排出してしまう強い排泄作用があります。 「フィチン酸(イノシトール6リン酸、IP6)」の強い排泄作用は、同時にデトックス(毒素排泄)作用も持ち合わせています。

その為、玄米食などで「フィチン酸(イノシトール6リン酸、IP6)」を長期に継続して摂取することは、 「フィチン酸(イノシトール6リン酸、IP6)」のキレート作用により、体内に蓄えたミネラルまで吸着してしまう為、 ミネラル欠乏症になる可能性が高いので注意が必要です。

全粒の穀物や玄米が含む多くのミネラルを効率よく摂取するために 「フィチン酸(イノシトール6リン酸、IP6)」と、ミネラル成分を分解する酵素“フィターゼ”を働かせる事が大事です。 フィターゼとは、無機態のリン酸を切り離す酵素群を指します。 すなわち、フィターゼは「フィチン酸(イノシトール6リン酸、IP6)」を加水分解し、リン酸を遊離します。

玄米の場合、新芽を発芽させることでフィターゼが働き、「フィチン酸(イノシトール6リン酸、IP6)」が分解、 ミネラル成分が体内に吸収されやすい形になり、体内での吸収率が飛躍的に高まります。
また、小麦粉でパンを作るときなどは、酵母に多く含まれるフィターゼが 発酵の際に「フィチン酸(イノシトール6リン酸、IP6)」を加水分解します。

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