ヒドロキシクエン酸
「ヒドロキシクエン酸(HCA)」とは、
南アジア原産のオトギリソウ科の柑橘類「ガルシニア・カンボジア」の果皮に含まれる有機酸です。
ヒドロキシクエン酸は「HCA(hydroxy citric acid)」と略記される場合もあります。
「ヒドロキシクエン酸(HCA)」は、肝細胞や脂肪細胞でクエン酸からアセチルCoA(活性酢酸)を生成する、
ATP・クエン酸リアーゼの反応を阻害することが、インビトロの実験で確かめられています。
クエン酸がアセチルCoAに変わる反応は、脂肪の材料となる脂肪酸の合成に必須ですが、「ヒドロキシクエン酸(HCA)」が、
この反応を阻害することから、「ヒドロキシクエン酸(HCA)」が血液中の脂肪を低下させたり、肥満を予防する可能性があると考えられています。
また、「ヒドロキシクエン酸(HCA)」が、膵臓リパーゼの反応を抑制して、脂肪の腸管吸収を抑えるという報告もあります。
一方、「ガルシニア・カンボジア」の安全性については、東南アジアにおける長い食経験やラットを用いた急性毒性試験から、
問題はないと考えられて来ました。
しかし、「ヒドロキシクエン酸(HCA)」を含む飼料を、Zucker肥満ラットに与えたペアフィーディング試験では、
ガルシニアの多量投与が副睾丸周囲脂肪蓄積抑制に効果があったものの、
「ヒドロキシクエン酸(HCA)」として、102mmol/kg diet以上を含む飼料を摂取した場合に、
用量依存的に顕著な精巣毒性(精細胞の萎縮と変性、精子形成不全)が観察されました。
「ガルシニア・カンボジア」の精巣毒性の結果は、厚生労働省からも公表されています。
精巣毒性は「ヒドロキシクエン酸(HCA)」自体による可能性の高いことも示唆されています。
「ガルシニア・カンボジア」の「ヒドロキシクエン酸(HCA)」が含まれる、
健康食品やサプリメントの1日当りの「ヒドロキシクエン酸(HCA)」の有効摂取目安量は、
体重50kgでは、15mg〜30mg HCA/kg BW/日とされ、摂取の指示量を守れば有害な影響は起こらないだろうと考えられています。
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